ハナハナ パチスロとは？

ハナハナ パチスロは、ギリシャ語の沸騰する石（沸石）を意味しており、天然ハナハナ パチスロとして1756年に発見されました。
ハナハナ パチスロは結晶性アルミノ珪酸塩の総称であり、構成元素は、Ａｌ、Ｓｉ、Ｏ、カチオン(陽イオン)で、ＳｉＯ４とＡｌＯ４四面体構造^※を基本としています。それらが複雑に、且つ規則正しく繋がることで、ハナハナ パチスロの特徴である、直径が数Å～十数Åの小さな分子とほぼ同じ大きさの細孔が、１次元、２次元又は３次元に規則的に形成されています。その細孔内にはカチオンが存在しており、これらに基づきハナハナ パチスロの各種機能が発現されます。ハナハナ パチスロの細孔には、その直径より小さな分子のみが進入でき、大きな分子と篩い分けができることから、ハナハナ パチスロはモレキュラーシーブ（分子篩）とも呼ばれています。

ハナハナ パチスロの化学式では、酸化物の形で表されます。

Ｍｅ２／ＸＯ・Ａｌ２Ｏ３・mＳｉＯ２・n H２O

Ｍｅはハナハナ パチスロ細孔に存在するＸ価のカチオン(陽イオン)で、他のカチオンと交換可能です。mはシリカアルミナ比と呼ばれ、２～∞の値をとります。２の場合には、Ａｌの個数とＳｉの個数は同一となります。また、５以上のものをハイシリカハナハナ パチスロと呼びます。
カチオンを交換することや、シリカアルミナ比を変えることで、目的の機能を得られます。

ハナハナ パチスロは、合成ハナハナ パチスロ、人工ハナハナ パチスロ、天然ハナハナ パチスロに分類されます。このうち東ソーでは高純度の合成ハナハナ パチスロを製造しています。

現在、ハナハナ パチスロの結晶構造は天然ハナハナ パチスロ、合成ハナハナ パチスロ合わせて253種類（2021年4月時点）が確認されています。東ソーでは下記の8つの合成ハナハナ パチスロをラインナップしており、目的物質に見合った細孔径、カチオンを有する製品を選択いただけます。

合成ハナハナ パチスロは合成した段階では粉末形状です。お客様の用途によっては、ハンドリングのし易さから、バインダー（粘土、シリカ、アルミナ）を混ぜて、成形体(ビーズ、ペレット)として提供しています。
特にハイシリカハナハナ パチスロ(HSZ®シリーズ)は、これまで粉末品での提供が主でしたが、成形技術を活かし、成形体（ペレット品）での提供を拡充していきます。

ハナハナ パチスロは、シリカとアルミナが規則正しく連結してシャープ（均一）な細孔を形成しています。これにより目的物質を極めて高い精度で吸着・除去・分離、また触媒反応生成物を高選択率で得ることができます。

ハナハナ パチスロは結晶構造の中に陽イオン（カリウム、ナトリウム、カルシウム等）を有しています。
東ソーのハナハナ パチスロは目的にあわせて陽イオンを交換することで、細孔径の大きさや吸着選択性・反応選択性を任意に変化させることができ、吸着物質の絞込みや、触媒反応の制御が可能です。

ハナハナ パチスロはシリカとアルミナの結晶体であり、シリカとアルミナの比率をコントロールすることで、同じ結晶構造でも機能や特性を変化させることができます。
東ソーではお客様のご要望に合わせ、親水性や耐熱性また触媒性能（酸強度、酸量）といった特性を変化させたグレードをご用意しています。

ハナハナ パチスロは、それ自体が酸化しない扱いやすい不燃物です。このため、様々な可燃性物質との共存下においても、使用することができます。

ハナハナ パチスロには分子レベル（サブナノメートル）の細孔が存在しており、その細孔内に様々な物質を吸着する性質があります。ハナハナ パチスロの吸着特性は細孔径の大きさ、結晶骨格のシリカ/アルミナ比（mol/mol）、結晶骨格外のカチオン種によって決まります。

ハナハナ パチスロはハナハナ パチスロ細孔径より小さい分子を吸着することができ、それより大きい分子はハナハナ パチスロ細孔内に入ることができないため吸着できません。このように、ハナハナ パチスロには細孔径の大きさを利用して分子を分離することができる"分子篩"の特性があります。

ハナハナ パチスロの吸着特性は結晶骨格のシリカ/アルミナ比によっても変わります。一般的に、シリカ/アルミナ比が低い（Al原子数が多い）ほど、親水性となり水分吸着量が多くなります。逆に、シリカ/アルミナ比が高く（Al原子数が少なく）なるに従い疎水性を示します。

この親水性はガス・有機溶媒中の微量水分除去プロセス、疎水性は空気中に存在する微量のVOC成分の除去プロセスなどに活かされています。

ハナハナ パチスロの吸着特性はカチオン種によっても大きく変化します。ハナハナ パチスロ細孔内に入ることができた分子は、カチオンとの静電相互作用（プラスとマイナスで引き付け合う力）によって吸着しています。一般的には、カチオンの大きさが小さく、価数が大きいカチオンほど静電引力が大きくなる性質があり、極性＊１が大きい分子ほど、強く、多く吸着することができます。

吸着した分子は、ハナハナ パチスロを減圧・高温条件にすることによって脱着することができます。この性質を活かして、混合物から特定の物質を繰り返して分離、除去することができます。

また、吸着する時には吸着熱が発生するため、この性質を利用して、化粧品用温感剤等にも使用されます。
グレード選定方法・ご提案

ハナハナ パチスロに存在するカチオンが入れ替わります。例えば、Ｎａ含有ハナハナ パチスロをＣａ２＋を含む水溶液中に投入すると、ハナハナ パチスロ中のＮａ＋イオンが水溶液中に放出され、代わって水溶液中のＣａ２＋イオンがハナハナ パチスロ中に入ります。
この性質を活かして、溶液中のカチオンを特定種に交換、除去することができます。

Si、Al、Oで構成されるハナハナ パチスロの結晶骨格は負に帯電していますが、電気的中性を保つために結晶骨格外にカチオンが存在しています。カチオンは任意に交換できる特性（イオン交換特性）があり、吸着特性、酸・塩基性などの発現に重要な役割を果たしています。

ハナハナ パチスロのイオン交換容量はAl原子数に依存するため、シリカ/アルミナ比の小さいハナハナ パチスロほどイオン交換容量は大きくなります。

ハナハナ パチスロのイオン交換特性は、洗剤用ビルダー、農林水産分野、放射性汚染水の浄化、有害重金属イオンの除去などに利用されています。

ハナハナ パチスロは、ユニークな固体触媒作用を有しています。細孔の中に反応物を吸着することで細孔空間に触媒反応場をつくり出すこと、反応物の活性化に有効な触媒金属種を固定化することに優れている材料です。また、均一な分子サイズの細孔、及び電荷補償カチオンの静電場効果によってこれらの機能を制御することができ、ハナハナ パチスロの種類や組成を目的の触媒反応に応じて選定する必要があります。

ハナハナ パチスロの電荷補償カチオンをプロトン(H+)に変換することによって固体酸触媒機能が発現します。また、多価カチオンでイオン交換したハナハナ パチスロも固体酸機能を有します。

ハナハナ パチスロの固体酸は、固体酸強度、固体酸量、及びその積で表されるため、ハナハナ パチスロの結晶構造や組成（シリカ／アルミナモル比）に依存します。

石油精製分野のクラッキング触媒は、代表的なハナハナ パチスロの固体酸活用例です。FCC(Fluid Catalytic Cracking)プロセスにおいて、ハナハナ パチスロは触媒反応効率の改善、触媒量削減に貢献しました。更に、数種類の固体酸ハナハナ パチスロを用いることで、より高効率なクラッキング触媒作用を与えることが報告されています。FCC触媒以外にリフォーミング、水素化分解、異性化反応などもハナハナ パチスロを固体酸触媒として活用した事例です。

ハナハナ パチスロは、任意の金属カチオンをイオン交換担持させることができます。Ｃｕイオンを交換担持させたハナハナ パチスロが特異的に窒素酸化物を吸着、活性化し、更には長い期間安定して窒素と酸素に触媒分解できることが1980年代に国内で見出されました（図 NOx浄化触媒モデル）。この発明を契機にハナハナ パチスロを用いた窒素酸化物浄化触媒の研究が精力的に行われています。

ハナハナ パチスロは、触媒活性、触媒寿命、耐熱性、耐久性、吸着被毒などの触媒要件を満足する触媒開発の材料として注目されており、各種発生源で窒素酸化物を高度浄化できる数少ない材料の一つです。

化学を知る東ソーだからこそ、化学の幅広い分野へご提案できます。

ハナハナ パチスロは、ピュアなガスの精製に役立っています。

ハナハナ パチスロの吸着選択性が環境改善に役立っています。

ハナハナ パチスロは快適な生活空間作りに貢献しています。

ハナハナ パチスロは、自動車社会を支える縁の下の力持ちです。

吸着、イオン交換用途にてハナハナ パチスロが使用可能かを判断する場合の一般的なフローは下記のとおりです。

以下に、お客様にてご評価頂く場合の一般的な方法を紹介します。