GXリーグ グリーン商材の付加価値付け検討ワーキング・グループ
経済産業省が2022年3月に発足したGXリーグ※1の参画企業17社から構成される「グリーン商材の付加価値付け検討ワーキング・グループ」(以下、グリーン商材WG」)は、本日、オンライン カジノ jcbしました。
2023年3月の発足以来、グリーン商材WGは、参画企業のグリーン商材候補をもとに、そのグリーン価値(グリーン商材が持つ環境負荷の低減価値)がグローバル市場において付加価値として認識され、活用されるための課題と課題解決のための仕組みについて検討を重ねてきました。本提言書では、グリーン商材の高付加価値化の指針案と先行事例を示すとともに、商材のグリーン価値に関する計測・算定手法、効果的な配分方法、経済活用※2の方法などを紹介しています。なお、グリーン商材WGは、参画企業17社のほか、オブザーバー(一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)及び一般社団法人日本電機工業会(JEMA))で構成されています。
グリーン商材の付加価値付けに関する提言書(エグゼクティブサマリー、本文)
グリーン商材WG 参画企業
株式会社日立製作所 WG発起社、WGリーダ、WG事務局
旭化成株式会社 WG発起社
株式会社IHI WG発起社
オンライン カジノ jcb株式会社 WG発起社
日産自動車株式会社 WG発起社
株式会社アート&エコロジー WG参画社
愛知製鋼株式会社 WG参画社
JFEスチール株式会社 WG参画社
JFE条鋼株式会社 WG参画社
大成建設株式会社 WG参画社
株式会社日本政策投資銀行 WG参画社
日本製鉄株式会社 WG参画社
日立Astemo株式会社 WG参画社
富士通株式会社 WG参画社
本田技研工業株式会社 WG参画社
三井住友信託銀行株式会社 WG参画社
三菱ケミカルグループ株式会社 WG参画社
主な提言
- 提言1
- 企業の脱炭素等の取り組みを進めるため、製品・サービスのグリーン価値が市場や顧客から適切に評価され、経済活用される仕組みづくりを産官で協力して進めること。
- 提言2
- グリーン商材の普及を推進するため、これまで着目されてきたCO2排出の絶対量に加え、基準値からの排出削減量(以下、ΔCO2)を指標として適切に認識・活用すること。その際、「マスバランス方式※3」の考え方を参考に、グリーン商材への投資を段階的に促すなどΔCO2のグリーン価値を有効活用すること。
- 提言3
- サプライチェーン全体のグリーン価値を評価すること。特に、調達、製造、製品使用におけるΔCO2を評価に組みこむこと、プラスチックなどのリサイクルにおけるΔCO2についてライフサイクル全体で評価すること、が重要であること。
- 提言4
- CO2削減を推進する上で希少金属資源の資源セキュリティーが益々重要となること。特に、日本では、域内循環を支援することが重要であること。
- 提言5
- グリーン商材の市場の拡大のためには、将来のカーボンプライシングの導入以外にも様々なインセンティブの仕組みが必要であること。
- 提言6
- グリーン商材のルールについては、本提言をベースとして、業界ごとの取り組みや国際標準化の取り組みにつなげていくこと。
背景、課題
近年、経済成⾧と地球環境の保全および人々の幸せを今後も持続的に追求していくためには、環境を優先する経済社会システムへの変換が必要であり、その中心的な役割を担う企業活動には、気候変動抑制に関わる具体的な行動計画の策定、開示、および履行が強く求められるようになりました。
既に一部の環境先進企業は、自社の環境目標達成を前倒しする、再生可能エネルギーや省エネ技術を積極的に取り入れる、バリューチェーン全体で脱炭素化を進める、などの具体的な取り組みを、環境投資を実行しつつ加速しています。また、企業が提供する製品・サービスでは、従来重視されていた「価格」と「品質」に加え、「環境負荷を減らすこと」が新たな提供価値として求められつつあります。
他方、このような先進的な取り組みが、国・地域、業種、規模が異なる様々な事業領域において持続的に発展・拡大していくためには、企業の環境投資が社会貢献のための経済的負担としてではなく、新たな成長機会となるような仕組みが重要です。このためには、環境投資を一企業の判断だけに委ねるのではなく、消費側の行動変容を促す仕組みの構築に加え、企業が提供するグリーン商材の価値を市場や顧客が適切に評価し、企業が投資回収を十分期待できるような経済社会制度の構築や事業環境の整備が不可欠であり、本提言書を公表することとなりました。
今後
グリーン商材WGの参画企業各社は今後、本提言に基づき、各産業分野において下記のような実証や標準化などに取り組み、経済と環境の好循環を持続的に創出することをめざしていきます。
・ グリーンスチールの販売、標準化(鉄鋼:高炉)
・ カーボンニュートラル鋼材の価値化実証(鉄鋼:電炉)
・ CO2利用素材のグリーン価値認証と活用実証(素材)
・ グリーンアンモニアの発電利用の実証(重工)
・ 製品稼働時の実計測に基づくCO2の排出削減量の価値化実証(電機)
・ 省エネ機器のグリーン価値化に係る国際ルール策定(電機)
JEMAからのコメント
JEMA会員企業は、再エネ機器、省エネ機器等のグリーン商材に関する事業を通じてカーボンニュートラルに向けた取組みを推進しています。JEMAでは、GXリーグが発行した「グリーン商材の付加価値付けに関する提言書」で示されているように、グリーン商材の価値が顧客に正しく評価され、企業から見た投資回収が十分期待できる環境を整備することが重要と考えています。JEMAとして今後、本提言書を活用しつつ、グリーン商材の稼働時の実計測に基づくCO2の排出削減量の価値化実証や標準化・ルール化等を通じて、グリーン商材の事業拡大・創出につなげてまいりたいと考えております。
JEITA からのコメント
JEITAは本提言書の発行を歓迎いたします。企業が継続して脱炭素等の取り組みを進めるためには、本提言書で示されているように、企業からみて投資回収が十分期待されるような社会制度の仕組み作りが重要です。JEITAが事務局を務めるGreen x Digitalコンソーシアムでは、今後、グリーン価値を表す指標の評価(計測、表示、認証)の仕組みにおいて不可欠なDX基盤の整備に向けて検討を進めてまいります。
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1:2022年2月1日に経済産業省 産業技術環境局 環境経済室が発表した「GXリーグ基本構想」に基づき設立。GXに積極的に取り組む「企業群」が、官・学・金でGXに向けた挑戦を行うプレイヤーとともに、経済社会システム全体の変革のための議論と新たな市場の創造のための実践を行う場。2023年7月時点で600社を超える企業が参画。
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2:環境に配慮した製品やサービスに対して消費側が対価の支払いを行うことで持続可能な経済活動を確立する制度またはそれにつながる経済活動。
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3:マスバランス方式(物質収支方式)は、紙やプラスチックなど多様な業界で適用されている考え方。ある特性を持った原料と持たない原料を混合して製品を製造する場合に、特性を持つ原料の投入量に応じ、生産された製品の一部にその特性を割り当てる手法。原料すべてを環境に配慮したものに置き換えることが困難な場合でも、一定の付加価値を創出しやすくなり、環境に配慮した原料の使用促進に有効な手法。
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